バラの分類
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分類 |
略号 |
詳細 |
代表種 |
野生種 |
Sp (Species) |
北半球に150~200種の野生種が存在しているといわれている。特に、中国の西南部(四川省・雲南省)とヒマラヤから西アジアに多い。 |
ロサ・ムルティフローラ(ノイバラ)、ロサ・ラエウィガータ(ナニワイバラ)など |
オールドローズ
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アルバ |
A |
ダマスク・ローズとロサ・カニーナの近縁種で白花のロサ・コリイフォーリア・フロエベリーの雑種といわれるロサ・アルバを元に育成されてきた一連の系統。 白を基調とする品種が主で、淡いピンク色もある。ロサ・コリイフォーリア・フロエベリーの特徴を受け継ぎ、葉の色が灰緑色。木は直立し、とげは少ない。耐寒性が強く混植に向く。 |
マダム・プランティエ、ジャンヌ・ダルクなど |
ブルボン |
B |
1800年代初頭にフランスの植民地であったインド洋のブルボン島(レユニオン島)で発見された「オータム・ダマスク」とチャイナ・ローズとの自然交雑種と思われる固体を元に育成されてきた系統。 その後、ティー・ローズへ引き継がれていく。 返り咲きするものが多く、日本ではシュラブ~つるバラになるものが多い。 |
スヴニール・ドゥ・ラ・マルメゾン、ラ・レーヌ・ビクトリア、マダム・イサーク・ペレールなど |
ケンティフォーリア |
C |
ロサ・ケンティフォーリアを元に育成された系統。 キャベジ・ローズともいわれ、その名の通り、花弁数が多く丸弁のカップ咲きになり、日本では「百弁バラ」「セイヨウバラ」などと呼ばれていた。 |
ファンタンラトゥール、シャポー・ドゥ・ナポレオン、ジュノーなど |
チャイナ |
Ch |
ロサ・キネンシスとロサ・ギガンテアをもとに中国で育成されてきたバラと、中国からヨーロッパにわたった一連の品種軍。また、それらをヨーロッパで選抜された所期の品種を指す。 茎にはとげが少なく、ほとんどのものが春から秋まで開花する。 |
オールド・ブラッシュ、ルイ・フィリップ、粉粧楼、ソフィーズ・パーペチュアルなど |
ダマスク |
D |
香料用に古くから栽培されているダマスク・ローズを元とした系統。 どの品種も非常に香りの強い花をつけ、混植果断に向いている |
マダム・アルディ、レダ、ヨーク&ランカスターなど |
ガリカ |
G |
ヨーロッパでロサ・ガリカを元に育成されてきた系統。 赤紫からピンク色が多く、半八重咲きから丸弁カップ咲き、クォーターロゼット咲きなど多彩。樹高はあまり高くならず、よく分枝し横に広がって生育する。 |
カマイュ、ベル・イシス、紫玉、シャルル・ドゥ・ミルなど |
ハイブリッド・パーペチュアル |
HP |
ハイブリッド・ティー系統が育成される前の代表的な大輪咲き系統。 ハイブリッド・チャイナ系統にポートランド・ローズやブルボン・ローズが交雑され、19世紀後半には1000品種以上あった。 |
バロン・ジロ・ドゥ・ラン、ルイ14世、フラウ・カール・ドルシェキ、ポール・ネイロンなど |
モス |
M |
ロサ・ケンティフォーリアの枝変わりで、花梗(花柄)や萼に腺毛が密生し、コケが生えているように見えるのでモス(コケ)と呼ばれる。枝は散開状になり、花色は様々。 |
サレ、ウィリアム・ロブ、ムスー・デ・ジャポン、コモン・モスなど |
ノワゼット |
N |
ロサ・モスカータと「オールド・ブラッシュ」の交雑種を基本的にティー・ローズが交雑され、アメリカで育成された系統。 現代バラにロサ・フォエティダから黄色が導入される前までもっとも黄色い品種は本系統に含まれていた。半つる性またはつる性で、茎にとげは少なく、比較的長期間にわたり開花する。 |
マダム・アルフレッド・キャリエール、ブラッシュ・ノワゼット、レヴ ドール、 セリーヌ フォレスティエ
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ポートランド |
P |
起源があいまいな系統で、1700年代終わりにフランスでは知られており、ロサ・ガリカとオータム・ダマスクの雑種といわれている一方、チャイナ・ローズも関係しているとも言われている。 開花が遅く、濃赤色が特徴で、後に「ハイブリッド・パーペチュアル」へ引き継がれることになる。直立形のコンパクトな樹形で、花梗が短いのが特徴。 |
ジャックカルティエ、コントゥ・オゥ・シャンボール、アルチュール・ド・サンサールなど |
ティー |
T |
ブルボン・ノワゼットそれぞれの系統に「ヒュームス・ブラッシュ・ティー・センテッド・チャイナ」または「パークス・イエロー・センテッド・チャイナ」が交雑されたものを最初とし、ティーの香りのする一連の系統。 ティーの香りは「ロサ・ギガンティア」に由来し、ジメトキシメチルベンゼンという香気成分が主成分 |
アルシデュック ジョセフ、香粉蓮、レディ ヒリンドン、ママン コシェ、デュセスドブラバンなど |
モダンローズ
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フロリバンダ |
F |
日本のノイバラに由来するポリアンサ系統とハイブリッドティ系統などが交雑された、中輪・房咲きの系統。 |
ミスティパープル、ジャルダンドゥフランス、ミミエデン、アンジェラ、ニコル、など多数 |
ハイブリッド・ティー |
HT |
ハイブリッド・パーペチュアルとティー・ローズとの交雑から始まる、完全な四季咲きで大輪の系統。現代バラを代表する系統で切花品種の多くもこの系統。 |
クイーンエリザベス、ラ・フランス、ピースなど多数 |
ラージ・フラワード・クライマー |
Lcl |
ランブラータイプのつるバラとハイブリッドティーやフロリバンダなどが交雑されて誕生した系統。四季咲きと一季咲きがあるが、四季咲きの秋花はやや少ない。 |
パレード、ピエール・ド・ロンサール、スパニッシュビューティーなど |
ミニチュア |
Min |
「ルーレッティー」とポリアンサの交雑によって、小輪で葉も小さく、樹高も大きくならない系統。 |
八女津姫、コーヒーオベーションなど |
ポリアンサ |
Pol |
ノイバラとチャイナローズの交雑に由来する房咲き多花性で小輪の系統 |
マザーズディ、ザ・フェアリーなど |
シュラブ |
S |
ほかのどの系統にも属することができないものがこの系統に入れられており、イングリッシュローズもこの中に含まれる。ハイブリッドティーやフロリバンダより樹高が高く株が広がる特徴がある。 |
イングリッシュローズ、ソニアリキエル、ホーム&ガーデン、ローブリッターなど多数 |